栃木〜横川
18きっぷの季節がやってきたため、また連れ立って出かけた。
まずは上野を発ち小山まで。そこから両毛線で栃木経由で高崎へ向かう。その間で2回途中下車。栃木で下車しバスで大平山神社へ。1000段の石段と蝉の声と静けさ、汗だくで食べたかき氷の味。知らない土地を高いところから眺めるのはやはりいいものだと思う。もう少し進んで桐生へ。かつては絹産業で栄えていたであろう静かな街を、雨の中空腹で歩く。曇天で空腹でどうしたハテサテもんかと思ったが、思いつきでたどり着いた店で食べたひもかわ(桐生の平たいうどん)がとても美味しく、それだけでここに来てよかったと思えた。その後、高崎にて後続の旅行参加者と合流し夕食、そして宿へ。良い夜と宿。酔いと疲れで心地よく眠った。
翌朝も雨。そもそもの旅程は碓氷峠越えからの小海線周りを予定していた。しかし今回の天候と旅館の居心地良さなど諸々あわせて考えた結果、今回は横川まででとどめておき、帰りは高崎線ではつまらぬから八高線周りで、という旅程に変更。霧の横川にて、峠の釜飯と古い鉄道車両たち。古めかしい運転台に実際に入ることができて少し感動。横川を存分に楽しんだ後、信越本線で高崎へ戻り、のんびり八高線で八王子。そこで打ち上げ。
大雨にも見舞われず、同行の方々も楽しんでくれたようで、結果オーライのなかなか良い旅だった。
苗場
FUJI ROCK FES. 2014
前日夕刻から行くかどうか懊悩し始める。念のため休みは取ってあったが、誰にも声をかけておらず、日にちが近づいてきても気持ちが停滞気味だったので、ひとり静かに海辺でも旅行しようと思っていた。
しかし、前日に華麗なる勢いでチケットを取った友人の姿に、やられてしまった。さんざん悩んだあげく、そそのかしたらそそのかされた人を連れ、出かけることにした。迷いに迷った分、行くと決めたらスカッと気持ち良く、そしてなかなか寝付けなかった。馬鹿なんだと思う。行けない行かない糞食らえと思っていた間は「そんな三十路ホイホイにひっかかるかよ」などと言い続けていた、タダの強がりの馬鹿だった。
初めてチケットも持たず出かけたが、行けばだいたいなんとかなる。私は予約が嫌いだ。NON-RESERVEDが好きだ。そしてなんとかなった。馬鹿だがなんとかなるものはなんとかなる、なんとかする。いつもそんな風だ。
到着後すぐに多幸感でいっぱいの馬鹿になった。日中は特にお目当て!なものはない気がしたので、案内がてらとりあえず奥地まで歩く。学生の頃よく聴いた太田惠資氏がゲストで弾くようなのでそれをちょっと見に行った。かわらず飄々と弾いておられた。大友なんとかさんのやつも座ってみた。TVの曲は知らないけど、抵抗する者たちのためにある音楽はやっぱり好きで、独特の和音で鳥肌が立つ。あとホーンズのユニゾンもやっぱり好きで、座ったままけっこう楽しんだ。やっぱり好きなものはそう簡単には変わらないし、人間はそう変われない。
メインステージへ移動してTravis、夕刻近づくグリーンステージに吹く風の気持ち良さは格別で。後ろ髪ひかれつつまた移動。後ろ髪ひかれたが、苗場ではいつでもどこでも素敵な瞬間があるので後悔はゼロ。山本なんとかさんを斜めから見て、またJAZZりに奥地、その後また手前まで移動しブラーの人見ながら座って休憩。いつ日が暮れたか覚えていないが、気づいたら真っ暗になっていた。
さて楽しみにしてたトリ×2、ハシゴするしかなかった。まずはファンファーレ・チォカリーア!小石川の図書館で借りて聴いて気にいった気がする。ジプシー・ブラスの格好良さで目がくらくらするわ踊りすぎて脱水みたいになるわ、最高だった。自分もう馬鹿でいいと思った。またもや後ろ髪ひかれつつ移動、さてみんなのお目当てアーケード・ファイア。ぎっしりのグリーン・ステージと夜風と、それはそれはもう最高で、また自分もう馬鹿でいいと思った。
到着→グリーン→オレンジ→アヴァロン→グリーン→アヴァロン→
→オレンジ→グリーン→オレンジ→グリーン→戻り 結構な移動距離だ。
炎天下の中、同行の人は本当によくつきあってくれたと思う。感謝。
無事帰れた。帰りは心地よい疲れも手伝ってぐっすりと眠った。気さくな人々にたくさん逢えたのも嬉しかったし、雨降らなかったのは奇跡みたいに思う。何も泥だらけになっていない。奇跡だ。
また一年後がもう楽しみな馬鹿のまま日常に戻っていて不思議な気分だ。また真面目にしっかり働こう。同行者および会った皆様に、重ね重ね感謝。